共働きSES夫と統合失調症の妻 ― フルタイム勤務という挑戦

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こんにちは。今日は、少しプライベートなお話をさせてください。

私の妻は統合失調症という病気を抱えながら、ここ数年で大きく人生を切り拓いてきました。そして今、新たな一歩を踏み出しています。「フルタイム勤務」という大きな挑戦です。

出会ったころの彼女

私が彼女と出会ったのは、約4年前。まだコロナの混乱が色濃く残る時期でした。

当時の彼女は、障害年金と生活保護を受けながら、グループホームで静かに暮らしていました。通っていたB型作業所も、感染拡大の影響で休止状態。日々の生活をこなすことが精一杯だったように思います。

初めて会ったときの彼女は、気さくで話しやすい雰囲気でしたが、緊張もしていたのか、どこか心細そうな印象を受けました。服装や表情から、当時の生活の大変さが少しだけ垣間見えた気がしました。

少しずつ進んできた道のり

彼女は少しずつ、自分のペースで社会との接点を増やしてきました。

私たちが付き合い始めてから、新しいB型作業所に通い始めました。当初は薬の影響もあったのか、昼間に眠っていることが多く、日中はあまり活動的ではない印象でした。

結婚後は、週3日、午前中だけのパート勤務からスタートしました。1日4時間ほどの短時間勤務でしたが、彼女にとっては大きな一歩でした。生活リズムが整い、社会とのつながりができたことで、精神的にも安定につながっていったように思います。

現在も彼女は月に1回、病院に通院しています。飲み薬に加えて、注射による治療も継続中です。統合失調症という病気は「完治する」ものではありませんが、「安定して付き合っていく」ことは可能です。そう実感できるようになったのは、ここまでの数年間の積み重ねがあってこそだと感じています。

そして今、新しい職場へ

そして今、私たちは引っ越しをし、彼女は新たな職場で契約社員としてフルタイム勤務を始めました。週5日、1日8時間。これまでの倍の勤務時間です。

正直、心配はあります。疲れすぎないか。プレッシャーが強すぎないか。けれど、彼女は「やってみたい」と言いました。私は彼女を信じて、応援することにしました。

実際、失敗することもあるようです。帰宅後に落ち込むこともあります。それでも、表情を見ていると、どこか楽しそうです。小さな達成感を重ねているのだと思います。

支えるということ、支えられるということ

私はIT業界でSES(システムエンジニアリングサービス)として働いています。4〜5年前からは、基本的にリモートワークが中心です。

家事については、考え方の違いはあるものの、洗濯や掃除は主に私が担当しています。ときどき仕事に夢中になって家事を後回しにしてしまうこともありますが、できる限り分担を心がけています。

会話も、自分なりには意識しているつもりです。たとえば「今日のお仕事はどうだった?」と声をかけたりしています。ただ、彼女からすると、もっと触れ合いが欲しいと感じているようです。

彼女のことを思えば、同じことを何度も繰り返し伝える必要があると分かってはいるのですが、正直なところ、タイミングによっては「また同じことを言わせないでほしい」と、つい苛立ってしまうこともあります。

課題も、もちろんある

最近は物価の上昇もあり、好きなものを自由に食べられるわけではありません。ナッツや果物、野菜、チーズなど、体に良いものほど高くて手が出にくい。食生活のバランスは常に意識しています。

でも「働く」ということが、生活にも心にも、豊かさを与えてくれているように思います。家計の支えになるのはもちろん、なにより彼女自身が「社会の一員」として何かを担っているという実感を持てることが、精神的な栄養になっているようです。

最後に

統合失調症は決して簡単な病気ではありません。そして、夫婦で共に支え合って生きるというのも、時に大変なことです。

でも私は、彼女がフルタイムで働いている今を、とても誇りに思っています。

このブログを読んでくださっているどなたかが、もし似たような境遇にあるなら、「少しずつでいい」「自分たちのペースでいい」と伝えたいです。

そして、回復とは、「前の状態に戻ること」ではなく、「新しい日常を築いていくこと」なのだと、私は信じています。

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