40代での結婚は、若い頃とは異なる「成熟したパートナーシップ」が築ける一方で、いくつかの課題も伴います。
本記事では、実際に40代で結婚を経験した立場から、そのメリットとよくある課題、そしてうまくやっていくためのコツをご紹介します。
40代で結婚するメリット
経済的安定
40代は多くの人にとってキャリアが安定し、収入や生活基盤が整ってくる時期です。そのため、結婚後の生活にも安心感が生まれやすく、落ち着いた関係を築きやすいというメリットがあります。
もっとも、これは誰にでも当てはまるわけではありません。たとえば私自身、20代・30代はパチンコに夢中になり、タバコ代も毎月15,000円ほどかかっていました。外食も多く、貯金がなかなかできない生活を送っていました。
そんな私でも、40代を目前にして「このままではいけない」と思い立ち、少しずつ金銭感覚を見直すようになりました。無駄な出費を減らし、貯金の習慣を身につけるようになってからは、ようやく経済的にも精神的にも安定を感じられるようになりました。
つまり、過去に浪費経験があっても、そこから意識を変えて行動できれば、40代での結婚は十分に現実的で幸せな選択になり得るということです。
心理的な成熟
若い頃に比べて、40代になると人間関係や感情に対する捉え方が柔らかくなり、寛容さが育まれてきます。冷静な判断や譲り合いが自然とできるようになるため、衝突やすれ違いも少なくなる傾向があります。
私自身、20代や30代の頃は、相手のわがままな部分や些細な言動がどうしても気になってしまい、受け入れることができませんでした。ですが、40代になった今では、「人は完璧じゃない」と思えるようになり、相手の欠点も含めて受け入れられるようになってきたと感じています。
さらに私の場合は、年齢を重ねると同時に、働き方も変化しました。残業が減り、テレワークが導入されたことで、日々の生活に落ち着きと余裕が生まれました。このような生活リズムの変化も、心の余裕や成熟を促してくれた要因だと思います。
つまり、心の余裕は年齢だけでなく、「働き方」や「生活の整え方」によっても育まれるものだと実感しています。
人生経験の共有
40代は、仕事でもプライベートでも多くの経験を重ねてきた時期。だからこそ、相手の価値観や背景に対しても理解や尊重の気持ちを持つことができます。
お互いに「こういうこともあったよね」「わかるよ、それ私も経験した」と言える場面が増え、「わかってもらえる」という安心感が、夫婦関係をより深く強くしていきます。
私自身、過去に痔ろうを患い、手術と入院を経験したことがあります。一方、妻も統合失調症での入院経験がありました。
お互いに入院生活の孤独さや、不安、そして「早く元気になってほしい」と願う側の切なさを知っているからこそ、病気や心のつらさに対して自然と寄り添える関係が築けています。
こうした「体験を分かち合える関係」は、言葉では説明しきれない安心感をもたらします。単なる同情や想像ではなく、実際に体験したことがあるからこそできる理解と支え合いがあるのです。
40代の結婚は、若さの勢いではなく、人生で得た経験そのものが絆となり、信頼を深めてくれるものだと実感しています。
40代で結婚する際の課題
健康への配慮が必要
40代になると、少しずつ体力の衰えや健康の変化を感じ始める人も多いと思います。これまで無理がきいた生活スタイルも、無理がきかなくなる時期です。持病のある人も増えてくる中で、パートナーとお互いの健康状態に配慮しながら、無理のない生活設計を考えることが、結婚生活を長く安定させるポイントになります。
私自身、これまで痔ろうの手術や入院を経験し、「健康であることのありがたさ」や「一人では乗り越えられない場面があること」を痛感しました。また、妻も病気による入院を経験しており、日常の中で「相手の体調に目を配る」ことや「調子の波に合わせたスケジュール管理」が自然と身についたように思います。
食生活を見直したり、生活のペースを整えたり、休息をしっかりと取るようにしたり…。派手なことではなく、小さな「気づかい」と「習慣」が、心地よく生きていくための土台になります。
40代からの結婚では、「健康でいる努力」もまた、夫婦の絆を深める一つの共同作業だと感じています。
家族関係の複雑さ(特に再婚の場合)
40代での結婚、特にどちらかが再婚の場合、家族構成や過去の人間関係が複雑になりやすいという現実があります。前の配偶者との関係、子どもとの距離感、さらには両親や親戚との関わりなど、すべてが「ゼロからのスタート」とは限らないため、家族内でのコミュニケーションに気を使う場面が多くなります。
私たち夫婦の場合、私は初婚ですが、妻はこれまでに2度の結婚を経験しており、前の結婚で子どももいます。また、妻はご両親との縁もすでに切れており、精神的にも肉体的にも「ひとり」で歩んできた背景があります。
一方で私自身も、実家からは離れて暮らしており、特に実家に頻繁に帰るような関係ではありません。つまり、お互いに「家族」との距離の取り方や関係性に独自の課題や背景があるのです。
こうした状況では、「一般的な家族像」や「世間的な常識」に自分たちを当てはめようとせず、自分たちなりの新しい家族のかたちをつくっていく姿勢がとても大切だと感じています。
過去の関係や現在の状況を否定するのではなく、「今この人とどう関係を築いていきたいか」を起点に考えること。それが、複雑な背景を抱えた私たちにとっての、前向きな家族づくりの第一歩だと思っています。
心のしこりや過去との比較
再婚をする側にとっては、どうしても過去の結婚やパートナーとの記憶が心のどこかに残っているものです。それは決して悪いことではありませんが、ときに無意識のうちに「前の人だったらこうだった」「以前はこうだったのに」と比較してしまうことがあります。
そうした心のしこりや記憶は、知らず知らずのうちに、今のパートナーとの関係にも影を落とす可能性があります。
私たち夫婦の場合、私は初婚ですが、妻は2度の離婚を経験しており、その過程でさまざまな葛藤や心の痛みを抱えてきました。最初の頃は、妻の発言や態度の中に「防御的な反応」や「過去の経験に起因する警戒心」を感じることもありました。
また、私自身も「自分は比較されていないだろうか」「期待に応えられているだろうか」と不安になることもありました。
けれど、時間をかけて対話を重ねるうちに、少しずつわかってきたのは、「過去の結婚生活の失敗があったからこそ、今を大切にしようとしてくれている」という気持ちです。過去を責めたり否定するのではなく、むしろ“経験してきたことを糧にして生きている”その姿を、尊敬する気持ちに変えていけるかどうかが大切なのだと思います。
過去の痛みも、今の不安も、言葉にして共有することで軽くなることがあります。
心のしこりを一人で抱え込まず、「今ここにいる相手」と向き合っていく覚悟が、より健やかな関係を築いていくカギになると、私たちは日々感じています。
幸せな関係を築くための5つのヒント
素直な会話を習慣にする
感情をためこまず、小さなことでも丁寧に話すようにしましょう。
過去ではなく「今の自分」を大事にする
再婚でも初婚でも、今目の前にいる相手とどう関わるかがすべてです。
生活リズムをすり合わせる
仕事・趣味・睡眠など、無理なく一緒に過ごすペースを見つけましょう。
お金のルールを明確に
収入と支出の分担をオープンにし、安心できる家計管理を。
「ありがとう」と「ごめんね」を忘れない
大人だからこそ、基本の感謝と謝罪の言葉が関係を育てます。
まとめ
40代からの結婚は「大人の落ち着き」と「これからの幸せ」を両立できる貴重なスタート地点です。
過去の経験を活かしながら、無理なく心地よく暮らす関係を育てていきましょう。
あなたの人生は、いつからでも新しく、美しく始めることができます。
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